89歳の女性。認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はレベルⅡbである。介護支援専門員より依頼があり、歯科訪問診療を開始した。初回訪問時の様子を以下に示す。 口腔清掃を実施した際に、上顎臼歯部頰側と咽頭近くに粉状の薬の残留が認められた。また、錠剤をうまく取り出すことができず、床に落としたりすることがあるという。 連携が必要なのはどれか。
1: 薬剤師
2: 栄養士
3: 臨床検査技師
4: 精神保健福祉士
75歳の男性。アルツハイマー型認知症であり、移動は車椅子を使用している。これまで肺炎の既往はなく、総義歯を用いることで、家族と同じ食事を食卓で摂っているという。主治医からは先行期の障害が指摘されている。現在において、注意すべき食事介助の項目はどれか。
1: 一口量の調節
2: とろみ調整食品の使用
3: 噛まなくてよい食品の提供
4: 車椅子のリクライニング調整
80歳の男性。家族から歯の付け根の白くなっているのが気になることを主訴として歯科訪問診療の依頼を受けた。進行性核上性麻痺により自宅療養中である。ADLは全介助、胃痩にて禁食状態であり、唾液誤嚥による反復性の誤嚥性肺炎に罹患している。患者のロ腔内写真(別冊午前No.16)を別に示す。 適切な口腔衛生管理はどれか、2つ選べ。
1: 洗口の指導
2: フッ化物塗布
3: 超音波スケーラーの使用
4: 家族への歯面清掃法の指導
88歳の女性。歯科訪問診療の依頼を受けた。食後、ブラッシングのため洗面台に向かっている写真(別冊午後 No.14)を別に示す。障害高齢者日常生活自立度の判定基準のランクとして考えられるのはどれか。2つ選べ。
1: ランクJ
2: ランクA
3: ランクB
4: ランクC
67歳の女性。家族の希望で歯科訪問診療を行った。2年前に交通事故で頭部を受傷し、以来寝たきりの全介助で生活しているという。夫の話では、時々むせることもあるが、発熱は無いという。初回訪問時の食後の口腔内写真(別冊午前No.25)を別に示す。 家族に指導する口腔清掃用具で必要性が高いのはどれか。2つ選べ。
1: 軟毛歯ブラシ
2: スポンジブラシ
3: デンタルフロス
4: ジェット水流洗口器
82歳の女性。義歯が時々外れると家族より相談を受けた。5年前にパーキンソン病を発症しパーキンソン病治療薬を服用している。歯科医師の診察の結果、オーラルジスキネジアが頻繁にみられたが、義歯の適合は良好であった。家族への指導で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 服用薬剤はなるべく早めに休薬する。
2: 定期的に義歯の適合を診察してもらう。
3: 不随運動が出たら口を閉じるようにする。
4: 口腔ケアを行う際は、軟らかめの歯ブラシを使用する。
83歳の女性。介護保険施設から口腔衛生管理の依頼を受け、歯科医師と一緒に口腔のアセスメントを行った。結果を表に示す。口腔衛生管理を行う上で必要なのはどれか。2つ選べ。
1: 歯磨剤
2: 義菌安定剤
3: 口腔保湿剤
4: 義歯洗浄剤
88歳の女性。市の訪問事業で保健師とともに訪問した。5年前から重度認知症で ADLは全介助である。家族から下顎左側臼歯部のブリッジが揺れるため、軟らかいものしか食べられないと相談された。口腔内を観察したところ、ブラークが付着していた。また、ブリッジに軽度の動揺が認められたが、プリッジと支台歯の接着は強固であった。 家族に指導するのはどれか。2つ選べ。
1: 食形態の変更
2: ブリッジ部の清掃
3: セルフケアの習慣づけ
4: 歯科医師への往診の依頼
88歳の女性。硬いものが噛めないことを主訴として家族から往診を依頼された。5年前に脳梗塞を発症し、屋内での生活は息子夫婦からの介助を必要としている。日中はベット上での生活が主体であるが、座位は保てるという。介助により車椅子への移乗は可能である。 障害高齢者日常生活自立度はどれか。
1: J1
2: A1
3: B2
4: C2
48歳の女性。歯の動揺を訴えて来院した。歯周基本治療時の口腔内写真(別冊午後 No.5)を別に示す。矢印に示す処置の目的はどれか。
1: う蝕の予防
2: 咬合力の分散
3: 歯間部清掃性の向上
4: 象牙質知覚過敏の軽減
85歳の女性。食べこぼしが気になり来院した。2年前から関節リウマチの影響による手指関節機能低下と視力低下があり、ブラッシング能力が低下して口腔内環境が悪化しているという。適切な指導はどれか。2つ選べ。
1: 手鏡の使用
2: 口唇圧訓練
3: 歯間ブラシの使用
4: 定期的な歯科受診
56歳の女性。歯肉からの出血を主訴として来院した。プラークコントロールの確立後、歯科医師の指示によりグレーシータイプキュレットを用いてスケーリングを行うことになった。初診時の口腔内写真(別冊午前No.18)を別に示す。処置前に説明すべき術後の症状はどれか。2つ選べ。
1: う蝕発病
2: 構音障害
3: 歯肉退縮
4: 象牙質知覚過敏
82歳の男性。右片麻痺があり、義歯の清掃が難しいという。口腔清掃自立度〈改訂BDR指標〉の評価を表に示す。男性への指導内容で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: うがいの練習
2: 口腔清掃習慣の確立
3: 義歯清掃用具の選択
4: ファーラ位での口腔清掃
70歳の女性。中等度の歯周疾患で、歯周治療を開始することになった。糖尿病で服薬治療を受けている。 SRPで注意すべきことはどれか。2つ選べ。
1: 感染
2: 低血糖発作
3: 多量出血によるショック
4: 消毒薬によるアレルギー
85歳の女性。口臭を主訴として同居の家族に付き添われて来院した。2年前から認知症を発症しているという。来院時の家族との医療面接の結果を表に示す。 家族に対する指導内容で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 洗口剤の使用
2: 軟食への変更
3: 仕上げ磨きの実施
4: 歯間ブラシの使用
75歳の男性。義歯の不適合を訴えて来院した。3か月前に左側大脳に梗塞を発症し、現在車椅子を利用しながら療養生活を送っている。この時期の脳梗塞の症状として特徴的なのはどれか、2つ選べ。
1: 右片麻痺
2: 不正咬合
3: 言語障害
4: チアノーゼ
63歳の女性。義歯調整のため来院した。上顎右側中切歯の歯肉発赤と出血が認められた。動揺と排膿はない。BDR指標は全て自立している。歯科医師より歯科保健指導を行うよう指示を受けた。来院時の口腔内写真(別冊午前 No.27)を別に示す。この歯に対する適切な口腔清掃法はどれか。2つ選べ。
1: バス改良法
2: ローリング法
3: スティルマン法
4: 1歯ずつの縦磨き法
85歳の女性。骨折で要介護状態となり介護施設に入所している。普通食を摂取していたが、臼歯部両側遊離端義歯を紛失して歯科訪問診療を受診した。義歯製作までに食事形態の変更が必要となった。むせはないという。野菜の炒め煮の食事形態の写真(別冊午前 No.31)を別に示す。 適切なのはどれか。1つ選べ。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
48歳の女性。歯肉の腫脹、発赤および歯の離開を主訴として来院した。数年前より自覚していたが放置していたという。口唇の乾燥を認める。プロービング深さは全額的に4〜5mmであり、動揺は認めない。初診時の口腔内写真(別冊午前No.11)を別に示す。 考えられる対応はどれか。
1: 暫間固定
2: 矯正治療
3: ナイトガード装者
4: オーラルスクリーン装着
25歳の男性。下顎右側第一大臼歯の自発痛を主訴として母親と来院した。 患者は知的障害があり精神年齢が12歳程度であることが母親から告げられた。 検査の結果、歯髄炎と診断され抜髄処置を行うことになった。歯科医師より治療の内容を患者と母親に説明するよう指示された。 説明に際し留意する点はどれか。2つ選べ。
1: 抽象的な表現を多く使う。
2: 患者の実年齢にあった態度で接する。
3: 理解が得られるように繰り返し説明する。
4: 母親にも患者の精神年齢に応じた言葉で説明する。